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なまくら消閑堂 リレー小説その4

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オタクな社会人のブログ

リレー小説その4

第3話はこちらから





「一度東京に行ってみたかったんです!」

千反田の言葉に俺は思わず椅子からずり落ちそうになった。
確かに俺達の住む神山市はお世辞にも都会とはいえない地方都市・・・
はっきり言って街の郊外ともなると田園や山村の広がるかなり田舎な街だが、
このお嬢様にも都会へ憧れる気持ちというのがあったとは。
まぁ、年頃の女の子ともなるとそれが普通なのだろうか。

「ほんとに!?わー、とっても助かる!ありがとうちーちゃん!」

伊原は千反田の返事に安堵したようで、その顔には歓喜の色を見せている。
しかしまぁ、話がまとまったのならそれでいい。
何故伊原が俺にもこの話を聞いて欲しいと言ったのかわからんが、藪をつついて蛇を出すこともなかろう。
俺は再び文庫本び目を落とした。

「ほんとに急な話でごめんねちーちゃん。詳しい説明とかしたいから、悪いんだけど今日このあと私の家にきてくれない?」
「いいですよ。確か伊原さんのご自宅は・・・」
「割りと近くよ。ほら、駅前に向かう道の―――」

太陽は空の真上にさしかかり、日差しもどんどんきつくなる。
ふと外を見ると、グラウンドの片隅にあるプールが見えた。
水泳部が部活の真っ最中で、プールのコースをクロールやらバタフライで延々と泳いでいる。
あぁ、こんな暑い日はプールも悪くない。
体育で泳いだり水泳部としてプールに入るのはさらさらゴメンだが、何も考えずに水に浸るのも悪くない・・・

そんなことを取り留めもなく考えていると、伊原の鋭い声が俺の意識を再び部室へと引き戻した。

「で、折木。あんたも来なさいよね。悪いけど手伝って欲しいの」







はい?






「いやいやいや。なんで俺が!」

いきなり何を言い出すのか。いや、俺にも聞いて欲しいといった時点でなんらかの面倒事は予期していたが、
俺は東京になど行きたくないし、貴重な夏休みの時間をこれ以上無駄にしたくはない。
行く気など毛頭・・・

「どうせ暇なんでしょ?ちーちゃんも来てくれるって言うし、交通費はうちのサークル持ちだから遠慮なく来なさいよ。」

待て。いくらなんでも強引過ぎないかそれは。
さすがに少しムッとした俺は、一言物申してやろうと口を開こうとした。
すると、そこに闖入者が現れた。

「摩耶花!手芸部と総務委員会の方の調整は付いた!僕も東京に行くからね!ヒャッホウ!」

いつにないテンションで教室に乱入してきたのは似非粋人・福部里志だった。







第5話へ続く。

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  1. 2012/06/24(日) 22:11:18|
  2. 小説
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  4. | コメント:0
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